心理的ハードルを下げ、実践力を最大化。JALカードがAIロープレで実現した『量と質』を両立する育成改革

株式会社JALカード

業種:

  • コンタクトセンター
  • 金融業

課題:

  • 研修負荷
  • ロープレ機会の不足
目的・課題
・教育担当者によるロールプレイング(以下ロープレ)対応の負担軽減
・相手役の不足による、受講者1人あたりのロープレ実施回数の制限
選定理由
・費用対効果:他社ツールと比較した上での費用感
・シナリオ作成の手軽さ:AIの想定問答設定が、複雑なプロンプト不要で完結
・受講者側の使いやすさ:ITリテラシーを問わず、直感的に操作できる設計
・会話の滑らかさ:AIらしい違和感が少なく、実際の顧客対応に近い感覚で練習できる
導入効果
・1人あたりのロープレ実施本数が約2倍(10本→20本前後)に増加
・評価項目の統一により、受講者全員に均質なフィードバックが可能に
・復職者研修においても教育担当者の工数を削減しつつ、現場感覚の回復に活用

コンタクトセンター業務においてJALカード全般のお問い合わせに対応する株式会社JALカードでは、教育担当者のリソース不足と相手役不足によるロープレ機会の制限が慢性的な課題となっていました。
コンタクトセンター業務に特化したAIロールプレイングサービス「AIロープレ」の導入後、ロープレ実施本数は約2倍に増加し、受講者全員に均質なフィードバックが可能になりました。本インタビューでは、導入の背景から現在の活用状況までをお伺いしました。

相手役不足で、ロープレの機会が限られていた研修現場

―― AIロープレ導入前の研修体制について教えてください。

S.H様:
コミュニケーターの育成を4段階に分けて行っています。第1段階で入会全般、第2段階で住所変更・退会、第3段階でその他各種お手続き、そして第4段階では特殊なサービスに関する座学を実施します。JALカード全般はもちろん、マイレージや提携カード会社への案内まで、幅広い知識が求められます。

研修の流れは、2週間弱の座学を経て、半日×2回のロープレ、その後1〜2週間のOJTへと進みます。このサイクルを第3段階まで繰り返すため、一人前のコミュニケーターとして現場に立つまでには、相応の時間と教育リソースが必要でした。


―― AIロープレ導入以前、研修においてどのような課題を抱えていましたか?

S.H様:
最も大きな課題は、ひと言で言えば「リソース不足」です。教育担当者の人数と採用人数のバランスがうまく取れていないタイミングもあり、課題を感じていました。対人でのロープレをするには必ず相手役が必要ですが、その相手役が限られていることで、受講者がロープレの順番を待つ間、受講者同士でペアワークをしたり自習に充てたりするほかありませんでした。そこで、AIをうまく活用しながら効率的に教育を実施できたらという思いがあり、AIロープレを検討するに至りました。

導入の決め手は費用感と、シナリオ作成の手軽さ

―― 導入にあたり、他社ツールとも比較検討されたと伺っています。最終的に「AIロープレ」をお選びいただいた決め手を教えてください。

S.H様:
比較検討にあたっては、費用感・シナリオ作成の手軽さ・会話の滑らかさを総合的に評価しました。他社ツールと比較して費用感が的確であったことに加え、複雑なプロンプト不要でシナリオを作成できる点も重要な観点でした。
導入する側の担当者が疲弊してしまっては意味がありませんので、運用のしやすさは外せない条件でした。また、AIとは思えない自然な会話の滑らかさも、最終的な決め手の一つとなりました。

緊張がスキルを隠していた。AIが生んだ、本来の力を引き出す練習環境

―― Y.M様はシナリオ作成を中心に担当されているとのことですが、最初にAIロープレと関わった際の印象はいかがでしたか?

Y.M様:
ロープレのシナリオ作成に関しては主に私が携わっておりますが、以前はAIやDXへの苦手意識が正直ありました。ですが、AIロープレを導入して実際にシナリオが納品された際はAIが顧客役として「こんなにスムーズに喋れるんだ」という驚きを感じましたし、今後の研修に活用できそうという実感を持つことができました。
DXによって私たちのトレーニングをより良くできるという感覚が得られたのが大きかったです。

―― シナリオ作成の工数について、導入前の想定と実際はいかがでしたか?

Y.M様:
正直なところ、想像以上に大変でした。採用と研修が常に並行して動いている中で、試行錯誤しつつシナリオを増やさなければならない状況が続いたため、予定より工数がかかってしまいました。途中でレビューが追いつかない場面もあり、VideoTouchのカスタマーサクセス担当者にサポートいただいたほか、すでに現場に出ているコミュニケーターにも協力してもらいながら進めていました。
作成そのものについては、テキストを打ち込んでシナリオに落とし込む流れに慣れてきたことで、自分たちなりの効率化の工夫が生まれ、少しずつスピードが上がってきました。

―― では、事前に想定していた手軽さとは若干のズレがあったんですね。

Y.M様:
はい。特に工数が重たかったのが、ロープレ実施後の評価項目の作成です。カスタマーサクセス担当者に相談したところ、評価項目はVideoTouch側で作成いただけることになり、大変助かりました。手が追いつかない部分をサポートいただいたことで、協力しながらシナリオを作り上げることができました。

―― 導入後、どのような変化がありましたか?

Y.M様:
ロープレの実施本数が大きく変わりました。以前は2〜3時間で10本程度だったところが、現在は対人で10本、AIロープレで10本と計20本前後を実施できています。実施本数が約2倍に増えたことで、受講者が「アウトプットしてみて初めて理解できていなかった部分に気づく」機会も増え、復習や定着に活用できています。

T.R様:
私が受講者だった頃はAIロープレがなく、トレーナーが来るまでの時間は自習かペアワークでした。ペアワークは相手の習熟度によって「これで合っているのだろうか」と不安なまま終わることもありました。今の受講者はその待機時間にAIロープレができ、正しいフィードバックを確実に受けられる環境が整っています。

T.N様:
 講義でしっかり知識を入れても、初めて自分の言葉にして話す練習はまた別のことだと感じます。人が相手だと直接指導に対する気遣いや緊張感がありますが、AIが相手だと気軽にチャレンジできます。発話そのものに慣れるための練習として、非常に使いやすかったです。

Y.M様:
人が相手をするとなるとシナリオはあるものの、内容が変わってしまったり、フィードバックで重点を置く項目が違ったり、フィードバックすべきところが漏れてしまったりといった評価のばらつきが出てくるケースもあります。AIロープレを導入することによって、全員に同じシナリオと同じ評価項目でフィードバックを行えることが特に良かった点だと感じています。

―― 導入後に現れた予想外の効果や副次的なメリットがあれば教えてください。

Y.M様:
同じロープレを何度も繰り返したい場合や、最初から人と会話することに抵抗を感じる受講者にとって、AIが相手だと心理的負担が少なく練習できると感じています。実際、対面のロープレで緊張してしまう受講者は少なくありません。
事前には口にしないのですが、終わった後に「やっぱり緊張しました」と打ち明けてくれることが多く、緊張のあまりマニュアルの内容が思い出せなくなるなど、本来のスキルを発揮しきれていないと感じる場面がありました。

AIロープレに対しては受講者から「トレーナーの方よりは緊張せず、同期とやるよりは本番と近い環境でロープレを行うことができよかったです」といったアンケート回答もいただいています。

ロープレは新人だけじゃない。復職者支援から中長期育成へ

―― 新人研修以外の活用事例もあると伺いました。

S.H様:
復職される方がいらっしゃるタイミングで、ちょうどAIロープレを導入したことから、座学や他のワークと組み合わせて研修ツールの一つとして活用しました。その方は教育担当者がつきっきりで対人ロープレの相手をする必要がなくなり、AIロープレのみで現場感覚を取り戻すことができたため、教育リソースを最適化しながら、質の高い復職支援が可能になりました。

―― 新人研修以降の中長期的な育成計画にも活用する予定はありますか?

S.H様:
新人の独り立ち後においても、実務を通じて顕在化した個別の課題に対し、該当シナリオのAIロープレに取り組んでもらうという形での活用を進めています。現在は発生ベースで個別の活用ですが、今後はより体系的に組み込んでいくことを検討しています。

―― 同じ課題を持つ企業様へのメッセージをお願いします。

S.H様:
「教育担当者のリソース不足」や「受講者のロープレ実践機会の不足」などにお悩みでしたら、AIロープレを活用した教育は、その状況を打開する有効な一手になると思います。

―― S.H様、T.N様、Y.M様、T.R様、貴重なお話をありがとうございました!

【インタビューご担当者】
株式会社JALカード
CX推進部 コンタクトチャネル運営グループ 新任コミュニケーター教育
S.H様、T.N様、Y.M様、T.R様