カスタマーサポートグループだけでなく全社展開を視野に入れてツール導入を検討
―― はじめに御社の事業について教えてください。
菊地様:
弊社はインターネットサービスプロバイダーです。ネットワークサービス事業を中心に、お客様にインターネット接続環境を提供しています。セキュリティサービスの提供や有償サポートなど、接続オプションとしてお客様に付加価値を提供し、長くサービスを利用していただけるよう努めています。
また、ニュース配信やポイントサービスなどのWebサービス事業においても、当社のサービスを長くご利用いただけるような付加価値を提供することを目指し、サービスを提供しています。
―― 今回導入いただいたのはカスタマーサポートグループになりますでしょうか?
菊地様:
当初、カスタマーサポートグループの育成に関する課題を解決するために、新しく入社される方々の育成ツールとしてサービスを検討していました。
最初はカスタマーサポートグループへの導入を考えていましたが、「ツール導入」という観点から、カスタマーサポートグループだけでなく全社展開も視野に入れるべきだということで、途中で教育の主幹である人事も加わり、一緒に検討を行いました。
SVの研修工数の増加や研修時の途中離脱が課題に
―― カスタマーサポートグループではどのような課題を抱えていたのでしょうか?
杉村様:
オペレーター研修は窓口によって内容が異なりますが、座学を含めて1ヶ月程度の研修を行う窓口もあります。そのため、SVの拘束時間が長くなり、研修工数が膨れてしまうという課題がありました。
また、入社時の研修スケジュールを組む際、スケジュールの都合で参加できない方も多く、研修に参加できないということで入社が見送りになるケースもありました。
さらに、時間をかけて研修をしていても途中で離脱してしまう方もおり、それが非常にもったいないと感じていました。加えて、新しいスキルを習得するためにはスケジュールを組み、調整する必要がありますが、研修スケジュールが合わないと新しいスキルの取得も容易ではない点も課題でした。
―― 本格的にツール導入を検討し始めたきっかけは何でしたか?
杉村様:
SVの研修工数を削減したいという点に加え、弊社にはマルチスキルで様々な窓口のスキルを持っているオペレーターがいるため、そういった方々が復習できるツールが欲しいと常々考えていました。センターの拡大に伴い、この2点を改善する必要が出てきたのがきっかけです。
―― 情報収集はどのようにされていったのでしょうか。
杉村様: 他社サービスを検討している中で、センター長が「コールセンター/CRMデモ&コンファレンス」でVideoTouchの話を伺ったことがきっかけで、ご連絡させていただきました。
AIによる字幕やナレーションの自動生成など動画編集のしやすさが導入の決め手に
―― 最初にVideoTouchのデモを見た印象はいかがでしたか?
杉村様:
他社サービスで無料トライアルをさせていただいたのですが、今まで動画を作ることがあまりなかったため、その大変さに驚きました。
弊社では月の中で運用が頻繁に変わることが多く、編集に時間をかけて作った動画を削除したり、再編集したりする必要があります。しかし、他社サービスは進捗状況の管理や分析に強みがあるものの、切り取りなどの編集機能がなく、更新に手間がかかり非常にストレスに感じました。
一方、VideoTouchの編集機能は非常に使いやすく、切り取りなども簡単にできる点が魅力的でした。また、お話を伺う中で、AIで字幕を生成し、それを音声に変えることができるという点にも感動しました。さらに、今後はAIでテストの作成もできるようになるという話を聞き、それも非常に魅力的だと感じました。
―― サービスを比較する上でどのような点を重視していましたか?
杉村様:
業務負荷が軽減されることが非常に重要だと感じていたので、動画の編集のしやすさが大きなポイントでした。月に何回か情報を更新する必要があるサービスもあるため、頻繁に発生する追加や変更が容易にできるかどうかという点を重視していました。その点、VideoTouchは非常に魅力的でした。
―― 検討段階で不安だった点や迷ったポイントはありましたか?
杉村様:
研修状況の管理に関しては、他社サービスの方が使いやすかったため、検討段階では少し迷った部分もありました。最終的にはVideoTouchを選ばせていただきましたが、研修状況の管理については、メールアドレスを持っていないオペレーターの管理やテスト結果の集計がもう少し容易になるとより便利になると感じています。
―― 不安点もあった中、導入を決定された最終的な決め手は何でしたか?
杉村様:
動画の作成担当者だけでなく、SVも隙間時間に編集できるなど、誰でも簡単に編集しやすい点が最終的な導入の決め手になりました。
また、配信のしやすさも良いと思っており、収録した動画をURLで簡単に共有できる点が非常に便利だと感じました。さらに、サポート担当者に気軽にチャットツールなどで質問できる点や、困った際にはサポートいただける点も決め手になりましたし、非常に助かっています。
VideoTouch導入により1日分の研修時間の削減やSVの負荷軽減を実感
―― 現在はVideoTouchをどのように活用されていますか?
杉村様:
主にカスタマーサポートグループの導入研修で使用しています。これまで作成した古い動画をすべてVideoTouchで刷新し、新しく作成した動画を4月から入社した方に向けて活用しています。また、各窓口での研修の際にも、VideoTouchで作成した動画を使って実施するようお願いしています。
―― 導入から4ヶ月で既に100本以上の動画を作成いただいています。スピーディに作成できているコツはありますか?
杉村様:
現在は10名程度で分担しながら動画を作成しています。
最初は動画用にパワーポイントで横向きの研修資料を1から作り収録しようと思っていたのですが、それだと時間がかかると感じました。そこで、現状ある紙の研修資料をそのまま投影して収録することで、スピーディに作成できるようになりました。
―― 導入してみて現時点で感じている効果はありますか?
杉村様:
動画で研修を行うことができるようになった窓口では、座学で口頭研修を行っていた時よりも1日分の研修時間を削減できました。また、動画を閲覧している間にSVが他の業務を行える点が好評です。
ただし、動画を見ているだけだと放置されていると感じる方もいるため、その点のフォローが必要だと感じています。この点については、現在検討中です。
また、テストを通じて習熟度に問題がないことも確認することができました。口頭での説明を挟みつつ、動画をメインで研修にするという方法が問題なく進められていると感じています。
菊地様:
採用面でも効果があると感じています。これまでは、受電業務を開始するまでの3〜4週間の研修期間中は、毎日出勤して研修を受けることができる方を前提に採用していましたが、難しい方は採用できない課題がありました。
例えば、学生アルバイトの方は習得が早く技術にも明るい方が多いのですが、スケジュールの都合で採用が難しいことが多くありました。VideoTouchを活用することで、時間の都合がつきにくい方にも採用の機会が広がったと感じています。
また、弊社ではインターネット業界の繁忙期である2月から3月にかけて、入会窓口が混雑し、コールセンターもピークを迎えます。このピーク時に合わせてコールセンターの人員を1年間雇用するのはコストパフォーマンス的に難しいため、他部門に所属しているコールセンター業務経験者をその時期だけスポットで応援に派遣するという施策を2年ほど前から実施しています。
しかし、情報は日々更新されるため、1年前や半年前の知識では、すぐに対応に入るのが難しい場合があります。そのため、コールセンターにいなくても最新スキルを学習できるツールがあると、応援に行く前に最新の情報を頭に入れて臨むことができるので非常に助かっています。
カスタマーサポートグループだけでなく全社展開を目指していきたい
―― 今後どのように活用を広げていきたいなど構想があったら教えてください。
菊地様:
カスタマーサポートグループでは、VideoTouchを活用する窓口を増やしていきたいと考えています。また、カスタマーサポートグループでの活用を通じて、しっかりと効果が出ている点や、編集がしやすい育成ツールであることも確認できているため、全社的にeラーニングツールとしての活用を検討中です。
すでに興味を示している部門もあり、事例を共有しながら、他部門への展開方法を検討していきたいと考えています。
―― 最後にインタビューを見ていただいている方にメッセージをお願いします。
杉村様:
私自身、入社して5年になりますが、入社当初から何時間もかけて口頭で研修を行うのが当たり前な環境でした。私がSVを担当していた時も紙の資料を配り、口頭で研修をしていたため、動画で研修することができるという点は非常に魅力的だと思う一方で、本当に動画で研修ができるのか、動画の作成に膨大な時間を費やすのではないかという不安もありました。
しかし、いざ導入してみると、既存の研修資料を活用して思ったよりスムーズに動画を作成できましたし、研修も問題なく実施でき正直驚きました。
動画の作成には多少時間がかかる点はありますが、一度大枠を作ってしまえば、あとは編集するだけなので、未来に向けた投資だと考えています。これまでのやり方を急に変えるのは不安が大きいと思いますが、実際に導入してみると意外とできるものです。ぜひチャレンジしていただければと思います。
※1:スーパーバイザー:電話対応をするオペレーターの研修や育成を行う人物のこと。
【事例インタビュー企業】
企業名:ニフティ株式会社
本社:東京都新宿区
従業員数:498名(2024年5月31日時点)
URL:https://www.nifty.co.jp/
【インタビューご担当者】
人事総務グループ 人事チーム マネージャー 菊地 琢也 氏
カスタマーサポートグループ 統括センターチーム 杉村 美空 氏