研修講師の時間的拘束や心身への負担が大きく、研修の均質化も課題となっていた
ーー 御社の事業内容とお客さまサポート部について教えてください。
弊社は、自動車保険を取り扱うダイレクト損害保険会社です。インターネットや電話、チャットなどを通じて、個人のお客さま向けに自動車保険を直接提供しています。
代理店が販売する保険とは異なり、当社では直接お客さま対応を行っています。お客さまサポート部には約110名のオペレーターが在籍しており、お電話やチャット、メールなどを通じて、事故対応を除くほぼすべての対応を行なっています。
ーー VideoTouch導入前に抱えていた課題について教えていただけますか?
弊社では対面研修をメインに、様々な段階の研修を何層にも重ねて実施していますが、研修時間が多くかかり、講師の時間的拘束や心身への負担が大きいという課題がありました。また、拠点が東京と仙台に分かれているため、各拠点の研修内容を正確に把握することが難しく、研修の均質化も課題となっていました。
営業時間を早める施策を実施したことにより、動画を活用した効率的な情報共有の必要性が高まった
ーー ツール導入を本格的に検討されたきっかけを教えてください。
導入前から動画を活用した研修に着手していましたが、デスクトップレコーダーで収録した動画を共有する形にとどまっており、細かい動画編集ができるものではなく、あくまで情報共有がメインの使い方でした。そのため、正直なところ、専用ツールがなくても対応可能ではないかという議論もありました。
しかし、今年度に入り、営業時間を早める施策を実施したことで、朝礼が行えなくなるという状況が生じました。これまで、全体への情報共有や周知は朝礼を通じて行っていたため、それ以外の時間で一斉に情報を共有するタイミングがなくなり、動画を活用した効率的な情報共有の必要性が高まりました。これが、導入を後押しする一因となったと考えています。
ーー 動画ツールは以前から検討していたのでしょうか?
動画ツールについては、特に積極的に情報収集していたわけではありませんでした。展示会などのイベントで学習ツールの紹介を受けたことはありましたが、具体的な検討を進めていたわけではありませんでした。「あれば便利だが優先度は低い」という状況でした。
ーー VideoTouchのことはどのように知っていただいたのでしょうか?
以前弊社社員にVideoTouch様からVideoTouchをご紹介いただいていましたが、昨年度の展示会で再び接点を持つ機会があり、その際に改めてご提案をいただいたという流れでした。
AIナレーションで生成された音声を聞き、活用してみると、お勧めできる機能だと考えが変わった
ーー「VideoTouch」のプロダクトを見たときの印象について覚えていらっしゃいますか?
操作自体はあまり複雑ではなく、シンプルに作られていると感じました。デモを見ながら、直感的に操作できそうだなという印象を受けたので、その点は非常に良い部分だと思いました。
また、初めはAIナレーションの必要性をあまり感じておらず、デモを見た際も「面白いな」という程度の印象でした。しかし、実際に使用してAIナレーションで生成された音声を聞き、活用してみると、お勧めできる機能だと考えが変わりました。徐々に使い込むうちに、「これは使える」とその便利さを改めて実感しています。
当初、AIナレーションに必要性を感じていなかったのは、保険用語が難しく、保険に関する説明は生身の人間だからこそ伝えられる部分があるのではないかと思っていたからです。しかし、実際に導入してみると、そこにこだわる必要はないと感じました。AIナレーションの精度が想像以上に高く、むしろ淡々と説明するからこそ伝わる良さもあるのだと実感しました。
ーー「VideoTouch」をご検討いただいた際、他社のツールも比較されていたのでしょうか?
動画編集ができる学習ツールについては、正直なところ、あまりうまく情報収集ができていなかったと感じています。他社の学習ツールも検討はしていたものの、それらは動画編集を前提としたものではなかったため、動画編集まで一貫して行えるツールは特に候補には上がりませんでした。
むしろ、専用ツールを導入しなくても、従来のデスクトップレコーダーなどで動画を撮影して展開すれば十分ではないかという意見もあったため、その方法とも比較していました。
シーンビデオの機能がニーズに非常にマッチしており、動画作成の手間が思った以上に軽減された
ーー比較のポイントとしては、動画編集や配信のしやすさが重視されたのでしょうか?
最終的には費用対効果も重要な要素として社内で議論されましたが、動画の編集や配信のしやすさ、弊社の環境で利用できるか、さらには視聴管理機能の有無も大きなポイントでした。これらの機能によって管理業務の工数が削減できるのであれば、導入を進める上で大きなメリットになると考えていました。
ーー検討している際に、不安や迷ったポイントがあれば教えていただけますでしょうか?
システムを導入しても、実際に使いこなせるのかという点は大きな懸念でした。特に、そもそも動画を作成する時間を確保できるのか、また、AIナレーションや字幕の精度はどうなのか、適切に活用できるのかという不安がありました。
しかし、実際に導入してみると、追加されたシーンビデオの機能が弊社のニーズに非常にマッチしていました。弊社では、ほとんどの資料や研修動画はPowerPointを使用しており、スライドを順に表示していくシンプルな形式が多いため、PowerPointの資料を読み込み、台本を入力することで、簡単にAIナレーション付きの動画が作成できるのは非常に便利でした。
正直、ここまでAIナレーションを活用するとは思っていませんでしたが、動画作成の手間が思った以上に軽減されました。動画作成時間をしっかり確保しなくても、隙間時間を活用して動画を作成できたのは非常にありがたかったです。
ーー動画の作成は何名くらいで行われているのでしょうか?
現在は8名ほどで作成しています。導入時の細かい点についてはサポートをお願いすることもありましたが、実際に使い始めてみると、パソコン操作が得意でないメンバーでも非常に簡単に作成できました。
そのため、システムを使う際のハードルは想像していたよりも低かったです。実際に触り始めると「使いやすい」という声が多く聞かれました。現在、研修用のコンテンツとして、すでに20本ほどの動画を作成できています。
操作がシンプルで分かりやすいことが確認でき、研修の質にも問題がないとフィードバックを得られたことが決め手になった
ーー最終的に導入を決めた決め手は何だったのでしょうか?
操作がシンプルで分かりやすいことが確認でき、作成した動画を実際に観たオペレーターからも、研修の質にも問題がないとフィードバックを得られたことが一番大きかったと思います。
また、弊社の環境ではクラウドにアクセスして複数人が同時に動画を視聴する際の、通信負荷の課題がございました。最終的には、動画を頻繁に視聴するオペレーター向けに専用の端末を用意し、その端末でVideoTouchを活用するという形で整理できたことで、導入に踏み切ることができました。
ーー現在、VideoTouchをどのように活用されているのでしょうか?
現在は2つの研修で使用しています。1つ目は、商品の変更(改定)について全員に周知するための研修です。新しい特約やお客さまに提供するアプリについての動画を作成し、オペレーター全員に研修を行っています。
もう1つは、10月に入社した新人オペレーター向けの研修です。こちらは、保険の引受規定や補償内容などの座学研修の内容をVideoTouchのシーンビデオ機能で動画にしており、18本ほどの動画を視聴してもらう形で進めています。
当初は、15分ほどの動画を視聴した後に、講師が30分ほど補足説明をする想定でしたが、実際にはテーマごとに小刻みに数分ごとに動画を止めて補足するというスタイルになりました。保険や法律のような専門的な内容は、理解するのに時間がかかるので、AIナレーションを「ゆっくり」に設定しても、受講者にとっては少し早く感じるようです。
スライドもテンポよく進んでいくため、動画だけではなく、現在は必ず講師が付き添って、集合研修の形式で実施しています。動画の途中で適宜一時停止し、理解を深めるための時間を取ったり、「ここまでで質問はありませんか?」「戻したいスライドはありますか?」と随所で止めて進行したりすることで、受講者の理解度を確認しながら進められています。
ーー実際に導入してみて、現時点で感じているメリットや効果について教えていただけますか?
必ず伝えるべきことを動画にまとめることで、研修の均質化が図られており、研修講師の負担も軽減されています。
また、集合研修の形式にしたことにより、一方的な講義ではなく、受講者からの質問やフィードバックを細かく受け取れるようになり、双方向の研修が実現できた点は大きなメリットでした。講師が一方的に話す研修に比べ、お互いに意見を交換できる研修形式が取れたことは、研修にメリハリができ、非常に良かったと思っています。
動画学習ができる環境を定着させ、オペレーターの応対品質を向上させていきたい
ーー 今後、どのように活用を広げていきたいとお考えですか?何か構想があれば教えてください。
今回の導入を通じて、コンテンツの作成が非常にしやすいということを確認できました。理想としては、コンテンツを増やし、隙間時間に動画学習ができる環境を定着させ、習慣化していきたいと考えています。
また、何か疑問があればその動画を見ればすぐに確認できる、というような学習スタイルを確立することで、オペレーターの応対品質を向上させていきたいです。生産性の向上やお客さま対応のスピードアップにつながることを目指し、最終的には、お客さまに喜んでいただける結果を実現していきたいと思っています。
ーー 最後に、インタビュー記事を読んでいる方へのメッセージをお願いできますでしょうか?
動画作成リソースの確保が心配な企業様にとって、動画撮影しなくても画像にAIナレーションを付与して動画を作成できる「シーンビデオ機能」は本当におすすめです。
実際、弊社ではシーンビデオ機能を活用したことで、研修コンテンツの拡充が非常にスムーズに進みました。また、カスタムワード機能の追加など、導入後もさらに機能が充実し、パワーアップしていくのは非常にありがたいと感じています。
また、細かい改善要望にも真摯に向き合ってくださるので、ユーザーにとって今後さらに使いやすくなるのではと思っています。弊社も使い始めたばかりですが、VideoTouchを活用してよりお客さまに喜んでいただけるコンタクトセンターを目指してまいります。一緒に頑張りましょう!
【インタビューご担当者】
お客さまサポート部 東京お客さまサポートセンター
アシスタントマネージャー
松島 由依 様